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障がい者雇用で一番多い職業は?障がい種別の傾向と企業が任せる仕事の考え方
カテゴリー:障がい者雇用とは?
【更新日】2026.08.19

障がい者雇用を始めたいものの、どのような仕事を任せればよいのか分からない。
そこで、まずは他社でどのような職業に就いている人が多いのかを知りたいと考える企業担当者もいるでしょう。
確かに、障がい者雇用に関する統計を調べれば、ほかの企業でどのような仕事が任されているのかを知る手がかりになります。では、統計上多い事務的職業やサービスの職業を、自社でもそのまま用意すればよいのでしょうか。
障がい者雇用で「一番多い職業は何か」を知りたい時、まず押さえておきたいのは、答えは一つではないという点です。
厚生労働省が5年ごとに実施する「令和5年度障害者雇用実態調査」では、身体障がい者と精神障がい者は「事務的職業」が最も多く、知的障がい者と発達障がい者は「サービスの職業」が最も多い結果でした。つまり、障がい種別によって上位の職業は異なります。
この記事では、統計から読み取れる職業別の傾向を紹介し、数字だけで判断しないための考え方もあわせてお伝えします。
障がい者雇用で一番多い職業は?障がい種別の上位3職業

先に結論をお伝えすると、雇用されている人の割合が最も高い職業は、障がい種別によって異なります。
「令和5年度障害者雇用実態調査」では、身体障がい者と精神障がい者は「事務的職業」、知的障がい者と発達障がい者は「サービスの職業」が1位となっています。
上位3職業は、次の通りです。
| 障がい種別 | 1位 | 2位 | 3位 |
| 身体障がい者 | 事務的職業 | 生産工程の職業 | 販売の職業 |
| 精神障がい者 | 事務的職業 | サービスの職業 | 販売の職業 |
| 知的障がい者 | サービスの職業 | 生産工程の職業 | 運搬・清掃・包装等の職業 |
| 発達障がい者 | サービスの職業 | 事務的職業 | 生産工程の職業 |
ここで示されているのは、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者、発達障がい者の各区分における職業構成です。
複数の障がいがある人は、二つ以上の障がい区分に含まれる場合があります。
そのため、各区分の数字を合計して、「障がい者全体ではこの職業が最も多い」と判断することはできません。この記事では、障がい種別ごとの雇用傾向として紹介します。
障害者雇用実態調査の職業別割合から分かること・分からないこと

この調査が示しているのは、2023年6月1日時点で実際に雇用されていた人が、どの職業に就いていたかです。調査対象は、常用労働者を5人以上雇用する民営事業所です。
つまり、職業別割合から読み取れるのは、「調査時点で、どの職業に就いていた人が多かったか」という実績です。
一方で、次のような内容までは分かりません。
・現在、求人が多い職業
・採用に至る割合が高い職業
・離職する人が少ない職業
・今後、需要が高まる職業
・障がい種別ごとに向いている職業
たとえば、精神障がい者では事務的職業が1位ですが、精神障がいのある人全員に事務職が合うという意味ではありません。同じ事務的職業でも、データ入力が中心の仕事と、電話対応や複数部署とのやり取りが多い仕事では、求められる力が異なります。
この統計は、ほかの企業でどのような職業に就いている人が多いのかを知り、自社にある仕事の選択肢を広げるための資料です。実際に任せる仕事は、職業名の順位だけでは決められません。業務内容や作業環境、本人に必要な支援を踏まえて考える必要があります。
障がい者雇用の統計で使われる「職業」と「産業」の違い

障がい者雇用の統計を見る時に、意味を取り違えることが多いのが「職業」と「産業」です。
職業は、本人が実際に担当している仕事を指します。一方で産業は、勤務先の会社や事業所が行っている事業の種類を指します。
たとえば、製造会社で経理を担当している人なら、産業は製造業ですが、職業は事務的職業です。
また、小売会社の倉庫で包装を担当している人であれば、産業は卸売業・小売業でも、職業は運搬・清掃・包装等の職業になっていることがあります。
自社と同じ業種の事例だけに注目すると、仕事の選択肢を狭めてしまうことがあります。
障がい者雇用を考える時は、業種だけでなく、実際の職業や作業内容にも目を向けることが大切です。
統計でも、産業別と職業別は別の項目として集計されています。
統計上の「サービスの職業」と一般的な「サービス業」は何が違う?

公的統計に出てくる「サービスの職業」は、会社の業種を表す「サービス業」とは違います。
サービスの職業は、あくまで本人が担当する仕事内容を基準にした職業区分です。飲食物の調理や提供、接客、施設管理、生活に関わる支援など、内容はかなり幅広く含まれます。
そのため、「サービスの職業の割合が高い」といっても、接客を中心にしているのか、施設内の定型作業を担当しているのかまでは分かりません。
統計上の職業名を、一般的な業種名へそのまま置き換えてしまうと、実態を読み誤ることがあります。たとえば「サービス」と書かれていても、現場で必要な作業は接客だけとは限りません。
公的統計を参考にする際は、言葉の似ている部分よりも、どの仕事を指しているのかを丁寧に確認したいところです。
障がい者雇用で多い4つの職業区分と主な仕事内容

上位に挙がる職業区分に含まれる仕事は以下の通りです。
これを知っておくと、統計上の名称だけで判断せず、自社の業務と照らし合わせて考えられます。
事務的職業
事務的職業には、一般事務、経理事務、総務事務、出荷・受荷事務、生産関連事務などが含まれます。
データ入力だけを指すのではなく、電話対応や社内調整のような仕事が入ることもあります。
業務量を事前に見込める仕事もある一方で、正確さややり取りの多さが求められる場面もあります。
サービスの職業
サービスの職業には、接客・給仕、飲食物の調理、理美容、クリーニング、家事代行、居住施設やビルの管理などが含まれます。
同じ「サービス」でも、対人対応が中心の仕事もあれば、施設内で手順どおり進める作業もあります。職種名だけでは負担感を予測しにくいため、実際の手順まで確認する必要があります。
生産工程の職業
生産工程の職業には、製造、加工、組立、検査、機械操作などがあります。
ものづくりに関わる幅広い仕事が含まれており、扱う製品や機械、作業姿勢、求められる正確さや速度は職場によって異なります。
そのため、「生産工程の職業」という統計上の分類だけで、具体的な仕事内容や作業の負担まで判断することはできません。
運搬・清掃・包装等の職業
運搬・清掃・包装等の職業には、運搬、倉庫内作業、清掃、包装、選別、ピッキングなどが含まれます。
作業名から仕事内容を想像できるものが多い一方で、立ち仕事の時間や動き回る範囲は企業ごとにかなり異なります。仕事内容は、作業手順、必要な動き、作業時間、周囲とのやり取りまで具体的に分けて捉える必要があります。
この点は障がい者雇用で業務をどう切り出す?任せる仕事の選び方でも触れていますので、ご参照ください。
同じ職業区分でも、実際の仕事内容や作業負担は会社によって異なります。職業名だけで判断せず、作業の流れや周囲との関わり方まで把握しておくことで、採用後の行き違いを減らせます。
雇用者が多い職業と本人に合う仕事は同じではない

統計で多い職業は、あくまで雇用の傾向を示すものです。本人に合う職業を直接示す数字ではありません。
たとえば、精神障がい者では事務的職業が多いからといって、精神障がいのある人全員に事務職が合うわけではありません。知的障がい者ではサービスの職業が多いからといって、接客業務が一律に適しているとも言い切れません。
同じ障がい名でも、得意なこと、苦手なこと、疲れ方、必要な支援は人によって違います。
同じ事務的職業でも、入力中心の仕事と、電話や複数部署との調整が多い仕事では、必要とされる力が変わります。作業手順だけでなく、対人対応、予定変更の多さ、身体的な負担、音や人の出入りの多さも影響します。
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障がい者雇用でミスマッチを防ぐには?障がい特性に合う仕事と支援体制のつくり方
企業が職業別統計を自社の仕事づくりに生かす方法

職業別統計は、自社で障がい者雇用を考える際の答えではなく、選択肢を広げる材料として使うのが現実的でしょう。
事務職だけでなく、生産工程、包装、清掃、運搬、サービスに関わる職業でも雇用されていると分かれば、「自社では障がい者雇用は難しい」と決めつけず、幅広い仕事を候補として考えられます。
ただし、統計にある職業をそのまま自社へ導入するのではなく、自社にある業務と照らし合わせる必要があります。
まずは、どのような仕事が継続して発生するのかを確認してください。そのうえで、仕事内容だけでなく、作業場所、勤務時間、指導役、相談先まで含めて考えると、採用後の働き方を具体的に描けます。
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まとめ|職業別統計を自社の仕事づくりに生かす

職業別統計は、他社の雇用例を知る入口です。
そこから、自社で継続して任せられる仕事、勤務場所、指導役、相談先を具体的に決めることで、受け入れに必要な条件が明確になります。
そのため、統計に載る職業名だけで判断せず、実際の作業内容や周囲との関わり方まで照らし合わせることが大切です。社内にある仕事を幅広く見渡すと、これまで候補にしていなかった業務が見つかることもあります。最初から完成形を求めず、本人の状況に合わせて担当範囲や支援方法を調整していく視点も欠かせません。
社内だけで障がい者雇用に切り出せる業務は無い、とお考えですか?
外部の作業場所や支援体制を組み合わせる方法もあります。
きいちサービスでは、企業による直接雇用を前提に、軽作業、作業場所、勤務中の支援をご案内しています。
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