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障がい者雇用とは?企業に義務がある理由を解説
カテゴリー:障がい者雇用とは?
【更新日】2026.10.09


「なぜ企業は、障がいのある人を雇用する必要があるのだろう」。
一定規模以上の企業には、法律に基づく障がい者雇用の義務があると知ったとき、こうした疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
障がいのある人の中には、採用方法や職場環境が合わず、持っている技能を仕事に生かす機会を得られない人もいます。こうした障壁を減らし、働く機会を企業が共同で確保するために、障がい者雇用義務が設けられています。
この記事では、障がい者雇用の意味と、企業に雇用義務がある理由を説明します。あわせて、人材の採用や業務の改善に期待できる効果も紹介します。
障がい者雇用とは?雇用関係を結んで働くこと
障がい者雇用とは、障がいのある人が企業と雇用関係を結び、仕事をすることです。
本人が担当業務を進め、企業がその対価として賃金を支払う点は、ほかの社員と同じです。
職種が特定のものに限られるわけではありません。
事務、清掃、軽作業など、本人の技能や適性と、各社の業務に応じて任せる仕事を決めます。
その際、本人が力を発揮するために、作業方法や設備などを調整します。
「障がい者雇用枠」は、障がいのある人を対象とした求人の募集区分です。
ただし、障がいのある人が、一般の求人に応募して採用されることもあります。
企業に障がい者雇用の義務がある理由と法律の仕組み

障がいのある人が希望や能力に応じた仕事に就けるよう、雇用の機会を一部の企業だけに任せず、企業が共同で確保するためです。
その背景と、法律で定められた仕組みを説明します。
働く機会を確保するには企業側の対応が必要
障がい者雇用が目指すのは、障がいの有無にかかわらず、仕事を通じて社会に参加できることです。
しかし、採用時の先入観や職場の設備、情報の伝達方法などが、就職や就業を妨げることがあります。
例えば、担当業務を行う技能があっても、面接で口頭の質問を聞き取れなければ、本人は経験や技能を十分に伝えられません。
そういった場合でも、質問を文字でも示すことで回答できれば、企業も本人の能力を評価できます。
募集・選考の方法や作業環境は、本人の努力だけでは変えられません。
企業側がこれらを調整することが、能力に応じた採用や、就職後の活躍につながります。
雇用の機会を一部の企業だけに任せないため
こうした対応を企業の自主性だけに任せると、取り組む企業が限られ、障がいのある人の就職先の選択肢も限られるおそれがあります。
また、採用や環境整備の負担が、積極的な企業に偏る可能性もあります。
そのため、障害者雇用促進法では、障がいのある人に雇用の場を提供することを、事業主が共同で担う責任として定めています。
この根底にあるのが「社会連帯」の理念です。
企業による雇用を後押しするため、国も職業紹介や訓練などの支援を行っています。
制度全体や利用できる支援については、関連記事「障がい者雇用を成功させる!知っておきたい制度と活用法」も参考になります。
一定規模以上の企業には法定雇用率に基づく雇用義務がある

この共同の責任を具体的な雇用数の義務にしたものが、法定雇用率の仕組みです。
一定規模以上の企業は、労働者数に法定雇用率を掛けて算定した人数以上の障がい者を雇用する必要があります。
自社が対象かどうかは制度上の労働者数で判断する
ここまで読むと、「では、自分の会社にも雇用義務があるのだろうか」と気になるのではないでしょうか。
その判断の目安となるのが、制度上の数え方による労働者数です。
2026年7月1日から、民間企業の法定雇用率は2.7%です。原則として、制度上の数え方で常用雇用労働者数が37.5人以上になる企業には、1人以上の雇用義務があります。
ただし、会社に在籍する人数を、そのまま計算に使うわけではありません。
週の所定労働時間によって、従業員1人を「0.5人」と数える場合があります。
また、一部の業種では、算定する労働者数を一定割合差し引く「除外率」を適用します。
自社に雇用義務があるか、何人の雇用が必要かを判断するには、これらのルールに沿って労働者数を算定します。
詳しい計算方法は、関連記事「【2024最新】障がい者雇用の法定雇用率とは?目的と計算方法を解説」で紹介しています。参照する際は、雇用率や対象企業の基準が現在のものか、厚生労働省の資料と照合してください。
障がい者雇用への取り組みは人材の確保や業務改善にも役立つ

雇用義務があると分かっても、採用や受け入れの準備を思うと、踏み出せない企業もあるでしょう。
障がい者雇用への取り組みは、企業にとっても、人材の確保や仕事の進め方の改善に役立つことがあります。
障がい者雇用を支援する公的機関「JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)」も、実際に雇用に取り組んだ企業の声として、社員の戦力としての活躍や、職場環境の改善、業務効率化などを紹介しています。
効果は、任せる仕事や職場の対応によって異なります。
ここでは、人材の採用と、指示・作業手順の改善という二つの面から説明します。
担当業務に合う技能や適性を持つ人材を迎えられる
障がい者雇用に取り組むことで、自社の業務に合う技能や適性を持ちながら、これまで採用に至らなかった人を迎えられる可能性があります。
仕事に必要な経験や技能があっても、勤務時間や作業環境が合わず、応募や就業を断念している人もいます。
例えば、通勤が負担になっている人なら、出勤時間をずらしたり、業務によっては在宅勤務を取り入れたりすることで、働ける場合があります。
このように、従来の勤務条件では働けなかった人も応募できるようになれば、採用候補が広がります。企業にとっては、これまでの募集では出会えなかった人材に、業務を担ってもらう機会になります。
本人の技能を生かすために仕事内容と勤務条件をすり合わせる
ただし、どのような仕事で力を発揮できるかは、障がい名だけでは判断できません。
同じ障がい名でも、経験や得意な作業、必要な配慮は異なるためです。
本人からこれまでの仕事内容や作業上の困りごとを聞き、任せたい業務と照らし合わせることで、生かせる技能と、作業方法や職場環境の調整が必要な部分を把握できます。
そのうえで、担当する仕事内容や勤務時間、必要な配慮を採用前にすり合わせておけば、企業と本人が互いの希望や条件を理解したうえで働き始められます。
「任せる予定の仕事が本人の想定と違った」「必要な配慮が職場に伝わっていなかった」といった、入社後の行き違いを減らすことにもつながります。
業務の選び方は、関連記事「障がい者雇用で業務をどう切り出す?任せる仕事の選び方」で紹介しています。
指示の出し方や作業手順を改善するきっかけになる

障がい者雇用にあたり、本人が作業を進められるよう、指示の出し方や手順を工夫することがあります。
その過程で、これまで曖昧だった指示や、担当者の経験に頼っていた作業方法が明らかになり、職場全体の改善に結び付くことがあります。
例えば、口頭だけで伝えていた作業を文書にし、作業の順番と「どの状態になれば完了か」を明記します。
すると、担当者は説明を聞いた後も文書を読み返し、次に行う作業や、どこまで仕上げればよいかを把握できます。
判断に迷ったときの相談先も記載しておけば、本人が誰に尋ねればよいか分かります。
不明な点を抱えたまま作業を止めたり、自己判断で進めてやり直しが生じたりすることを防ぐ助けになります。
作業方法の共有が新入社員の教育や引き継ぎにも役立つ
こうして作成した手順書は、ほかの社員にも役立ちます。特定の社員だけが知っていた作業方法や判断の基準を文書に残すことで、新しく担当する人も、その内容に沿って仕事を進められるためです。
新入社員の教育や引き継ぎに活用すれば、教える内容の抜けを減らし、担当者が交代しても業務を続けるための準備ができます。
職場での情報共有については、関連記事「障がい特性を職場でどう共有する?障がい者雇用で現場が迷わない伝え方」で説明しています。
自社の雇用義務を把握し、任せる仕事や勤務条件を検討する

障がい者雇用の義務は、働く機会の確保を一部の企業だけに任せず、企業が共同で担うために設けられています。
自社で取り組む際は、「障がいのある人に任せられる仕事があるか」という問いに加えて、「今の勤務条件や作業方法によって、働ける人を狭めていないか」という視点も持つことができます。
企業が条件を調整することによって、自社に合う技能を持つ人を迎えたり、ほかの社員にも役立つ作業手順をつくったりする可能性が生まれます。
まずは、自社に雇用義務があるか、何人の雇用が必要かを把握し、日々の業務と採用条件を具体的に検討するところから始めてみてください。
私たちきいちサービスでは、軽作業モデルを軸に、障がい者雇用を始めたい企業からのご相談を受けています。自社でどのような仕事を任せられるか、採用に向けて何を準備すればよいか迷うときは、お気軽にご相談ください。
障がい者雇用をご検討の企業関係者の方は、まずは一度お気軽にご相談ください。
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