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障がい名だけで仕事を決めない|企業が知っておきたい個人差と必要な配慮
カテゴリー:障がい者雇用とは?
【更新日】2026.09.18

2026年7月、民間企業の法定雇用率は2.7%に引き上げられました。
これにより対象となり、「障がい者雇用を進めなくては」「まずは障がいの種類を知りたい」と、このサイトを訪れた企業担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
障がい者雇用では、障がいの種類は知っておかなければならないことのひとつです。
ただし、種類を知るだけでは十分ではありません。
障がい名だけで判断せず、本人が得意とすることや負担を感じる場面、仕事を続けるためにどんな配慮が求められるのかまで知ることが、雇用を検討するうえで欠かせません。
この記事では、代表的な障がいの例を取り上げながら、企業が雇用を進めるうえで大切にしたい考え方を解説します。
「できないこと」を先に探すのではなく、「どのような仕事なら力を発揮できるのか」という視点から、雇用の可能性を探っていきましょう。
障がいにはどのような種類がある?代表的な例を紹介

障がいにはさまざまな種類があります。
代表的なものとして、身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がいなどがあります。
身体障がいの例
身体障がいには、視覚障がい、聴覚障がい、肢体不自由、内部障がいなどがあります。
たとえば、視覚や聴覚、手足の動き、体力などに関わる部分で、仕事中に負担が生じる場合があります。
ただし、同じ身体障がいでも状態や困る場面は人によって異なります。
知的障がいの例
知的障がいでは、理解や判断、学習、コミュニケーションなどの面に特徴が現れる場合があります。
仕事を覚える際には、具体的な手順や見本を示すことで内容を理解しやすくなり、安定して作業に取り組める方もいます。
精神障がいの例
精神障がいには、うつ病、双極性障がい、統合失調症などがあります。
体調や疲れやすさに波が見られることもあり、通院しながら仕事を続けている方もいます。
症状の現れ方や仕事への影響は一人ひとり異なります。
発達障がいの例
発達障がいには、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障がい(限局性学習症)などがあります。
情報の受け取り方や集中の仕方、予定変更への対応、読み書きなど、特定の場面で負担を感じる場合があります。
こちらも診断名だけで本人の能力や仕事への適性を決めることはできません。
障がいの種類を知ることは、本人を理解する第一歩
障がいにはさまざまな種類があり、それぞれに一般的な特徴があります。
基礎的な知識を持つことで、企業は本人の話を理解しやすくなり、採用や就業にあたって確認すべき点にも気づけます。
ただし、こうした知識は、本人の能力を判断するための基準ではありません。
障がいについて知ることは、先入観で相手を見るためではなく、本人との対話を始めるための第一段階です。
障がい名ではなく、本人・業務・環境の組み合わせを見る

採用を検討する際は、まず任せたい業務を具体的に洗い出します。
洗い出したいポイントは、たとえば、どのような作業を行うのか、正確さと速さのどちらが重視されるのか、人とのやり取りはどの程度あるのか、予定の変更は多いのかなどです。
さらに、作業場所の音や明るさ、移動の頻度など、働きやすさに関わる環境面にも目を向けます。
そのうえで、本人の経験や希望する働き方と照らし合わせます。
現在の条件では難しい業務でも、作業の分担や指示の出し方を見直すことで任せられることがあります。
仕事との相性は、本人の能力や特性だけで決まるものではありません。
業務内容や指示の出し方、職場環境も含めて検討しましょう。
本人の経験や行動から、仕事で生かせる強みを見つける

仕事で生かせる力は、専門的な知識や資格だけではありません。
日々の作業の進め方にも、その人の強みが表れます。
たとえば、次のような力です。
・決められた手順を守って作業する
・同じ作業を正確に続ける
・細かな違いや間違いに気づく
・一つの作業に集中する
・見本に沿って仕上げる
こうした力は、特定の障がいがある人に共通するものではなく、一人ひとり異なります。
障がい名から得意・不得意を推測せず、本人が実際に発揮してきた力に目を向けましょう。
苦手なことだけを見て任せられる仕事を限ってしまうと、本人の強みを生かす機会を失いかねません。
「何ができないか」ではなく、「持っている力をどの業務で生かせるか」を考えましょう。
採用時に本人から聞きたい「得意・苦手・必要な配慮」

本人の力を生かせる仕事や働き方を考えるには、障がい名だけでは情報が足りません。
採用時には、「得意なこと」「苦手なこと」「必要な配慮」の3点について、本人から具体的に話を聞きます。
得意なことや、これまでの経験
まず尋ねたいのは、これまで経験した仕事や実習の内容です。
担当した業務名だけでなく、実際にどのような作業を行い、どのような方法で進めていたのかまで聞き取ります。
たとえば、「パソコンを使った経験がある」という情報だけでは、本人の強みまでは分かりません。
「入力作業をどのくらいの期間担当したか」「正確に続けられた作業は何か」「仕事を進める際に工夫していたことはあるか」など、実際の行動を尋ねることで、仕事に生かせる力が見えてきます。
苦手なことや負担を感じる場面
次に、仕事をするうえで、どのようなときに負担を感じるのかを本人に尋ねます。
単に「音が苦手」「予定変更が苦手」と聞くだけでなく、仕事にどのような影響が出るのかまで具体的に聞き取ります。
たとえば、次のような点を聞きます。
・どのような作業や状況で負担を感じるのか
・どのくらい続くと負担が大きくなるのか
・負担が大きくなると、仕事にどのような影響が出るのか
・これまで、どのような方法で対処してきたのか
特定の作業や環境が苦手だからといって、本人に任せられる仕事がないとは限りません。
負担が生じる条件を具体的に知ることで、担当業務を考えるための材料が得られます。
仕事を続けるために必要な配慮
苦手なことや負担を感じる場面が分かったら、安定して働くために、仕事の進め方をどのように工夫するか本人と話し合います。
たとえば、次のような対応が考えられます。
・指示の内容や期限を書面で伝える
・予定の変更をできるだけ早く知らせる
・業務量や作業のペースを調整する
・体調に応じて休憩を取れるようにする
・困ったときの相談先を決めておく
配慮の内容は、同じ障がい名でも一人ひとり異なります。
企業側だけで決めるのではなく、本人が希望する方法を聞き、自社で実施できる対応をすり合わせていきましょう。
障がい者雇用を支える受け入れ体制の整え方

本人に合った仕事や配慮を考えるだけでなく、企業側の受け入れ体制を整えることも欠かせません。
障がい者雇用を始める際、最初から専用の仕事や専門の担当者、大がかりな設備改修が必要だと考えると、取り組みへのハードルが高くなってしまいます。
まずは、日々の指示や相談を担う人、勤務場所の設備、採用後の見直し方法という3つの面から、自社で実現できる受け入れ方を考えてみましょう。
日々の指示や相談を誰が担うか
採用前に、日々の業務を指示する人と、仕事上の困りごとを相談できる人を決めておきます。
指示を出す人が何人もいると、内容や優先順位に違いが生じ、本人が混乱することもあります。
主な担当者を明確にしたうえで、その人が不在のときに対応する社員も決めておきましょう。
役割を分担することで、特定の社員だけに負担が集中するのを防げます。
勤務場所の設備や動線に問題はないか
仕事の進め方とは別に、現在の勤務場所を利用できるかどうかも検討します。
たとえば、建物の出入り口から作業場所まで移動できるか、通路に十分な幅があるか、階段や段差はないか、トイレや休憩場所を利用できるかといった点です。
本人が実際に使用する場所と移動経路に沿って考えると、対応すべき点が見えやすくなります。
ただし、オフィス全体の改装まで求められるとは限りません。
机や備品の配置を変える、移動しやすい場所に作業スペースを設けるなど、現在の設備を生かして対応できることもあります。
自社の勤務場所で対応が難しいときは、別の働く場所や外部の支援を利用する方法も含めて検討しましょう。
採用後に仕事や配慮を見直せるか
採用時に決めた仕事内容や配慮が、その後も適しているとは限りません。
仕事に慣れて任せられる業務が増えることもあれば、体調や職場環境の変化によって、新たな困りごとが生じることもあります。
採用後も本人と定期的に話す機会を設け、業務量や仕事の進め方、配慮の内容が現在の状況に合っているかを見直しましょう。
状況の変化に応じて対応を調整できる仕組みが、働き続けやすい環境につながります。
まとめ|障がいの例を知り、力を発揮できる条件を考えよう

障がいの種類に関する知識は、本人を理解するためのベースにはなります。
しかし、それだけでは、本人がどのような仕事を得意とし、どのような場面で負担を感じるのかまでは分かりません。
そのため、実際の雇用では、障がい名よりも、本人と仕事の組み合わせに目を向けることが求められます。
これは、障がいのある方のために、特別な仕事を新しく用意することだけを意味するものではありません。
今ある自社の仕事について、作業の進め方や指示の出し方、周囲との関わり方を見直すことで、任せられる仕事が見つかることもあります。
さらに、指示の出し方や相談の仕組みを見直せば、これまで見えてこなかった職場の課題に気づくきっかけにもなります。
障がいの例を知るだけで終わらせず、本人がどのような条件で力を発揮できるのかを考え、自社に合った雇用の形につなげていきましょう。
社内で仕事や支援体制を用意できないときは外部支援を活用してみては?
障がいについての知識があっても、企業だけで本人の特性や配慮の内容を判断するのは簡単ではありません。
また、障がい者雇用を始めるために、仕事、勤務場所、支援体制をすべて自社だけで用意することが難しい企業もあります。
そのような場合は、自社だけで対応しようとせず、外部の支援を利用して、企業の負担を抑えながら雇用を進める方法もあります。
きいちサービスでは、障がいのある方の特性に配慮しながら、企業が無理なく雇用を続けられる形を一緒に考えています。
「障がい者雇用を始めたいけれど、社内に任せられる仕事や支援する人員がない」という段階からでも、まずはご相談ください。
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