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障がい者雇用で行き違いが生じたら?職場で起こる場面と企業の対応
カテゴリー:障がい者雇用とは?
【更新日】2026.09.29

障がいのある人を採用したあと、「想定していなかった場面で対応に迷った」と感じる企業は少なくありません。
ただ、その場面は本人の力だけで決まるものではなく、業務の伝え方や職場の環境、仕事の組み立て方との組み合わせで起きていることがよくあります。
この記事では、障がい者雇用で「働くうえで難しさが生じる場面」を、職場で実際に起こる状況に沿って取り上げます。
起きた行動だけで判断せず、背景にある要因をたどり、企業がどのように対応できるかを紹介します。
指示の受け取り方と、企業が想定した進め方に違いが生じる

現場で戸惑いやすいのが、「説明した内容がうまく伝わらず、作業の手が止まる」「想定とは異なる方法で作業している」といった場面です。
こうした行き違いは、本人側だけに理由があるとは限りません。
口頭だけでは内容を把握しにくい、一度に複数の指示を受けると優先順位をつけにくい、言葉の順番によって理解に時間がかかるなど、説明方法との組み合わせによって起こることがあります。
そのため、作業が止まったり手順がずれたりしたときは、「もっと分かりやすく伝えるにはどうすればよいか」という視点で説明方法を見直します。
たとえば、次のような工夫があります。
- 一度に伝える内容を絞る
- 作業の手順を短く書き出す
- 口頭で説明したあとにメモを残す
- 迷ったときに、誰に何を尋ねるかを先に決めておく
伝える内容や手順が明確になると、本人が次に何をすればよいか判断しやすくなり、作業の中断や行き違いを減らせます。誰が説明しても内容や順番が大きく変わらないようにしておけば、ほかの社員にとっても作業の迷いやミスの防止につながります。
複数の業務を任せたとき、取りかかる順番が伝わっていない

次に多いのが、複数の仕事を前に、何から手をつければよいか分からず手が止まるケースです。本人にとっては、作業量よりも、期限や順番が分からないことが負担になる場合があります。
この場面では、作業の進度だけで評価せず、次の点を一つずつ確かめてみるとよいでしょう。
- 期限が明確になっているか
- 優先順位がはっきり伝わっているか
- 一日の作業量が多すぎないか
- 途中で相談するタイミングを決めているか
最初から広い範囲を任せるより、担当業務を絞り、作業に慣れてから範囲を広げるほうが、本人と現場の双方が落ち着いて進められます。
勤務時間や休憩の取り方が、本人に合う働き方になっていない

勤務を続けるうえでは、どのような働き方なら負担を抑えられるかを本人と話し合うことが大切です。
たとえば、長時間の連続作業が続くと集中を保ちにくくなる人もいれば、休憩のタイミングが決まっていないことで不安を感じる人もいます。
また、残業が続いたり、必要なときに休憩を取れなかったりすると、疲労やストレスが積み重なり、勤務を続けることが難しくなる場合があります。
こうした状況を防ぐため、採用前に勤務時間、休憩の取り方、残業の有無などを具体的に伝えておきましょう。
そのうえで、本人が働き続けるために必要な条件と、企業が設定している勤務条件が合っているかを話し合います。
事前に双方の条件を話し合い、必要に応じて勤務時間や休憩方法を調整しておけば、疲労やストレスが積み重なるのを防ぎ、本人と企業の双方が無理なく勤務を続けられます。
相談相手や相談方法が決まっていないため、行き違いが生じる

コミュニケーションの行き違いは、職場で起こりやすい課題のひとつです。
たとえば、質問するタイミングをつかみにくい、困ったときに自分から声をかけにくい、職場の暗黙のルールに慣れるまで時間がかかるといったことがあります。
こうした様子が、周囲からは「話しにくい」「反応が薄い」と受け取られることもあります。
行き違いが起きたときは、「本人が質問できなかった」と捉えるだけでなく、質問する相手やタイミング、伝え方が分かりやすく決まっていたかも振り返ることが大切です。
誰に相談すればよいのか分からない、相手が忙しそうで声をかけるタイミングをつかめない、口頭では伝えにくいといった状況が、相談をためらう原因になっていることもあります。
たとえば、次のようなルールを決めておくと、本人が相談するきっかけをつかみやすくなります。
- 質問する相手を決める
- 口頭かメモか、相談方法を決める
- 一次対応する人を決める
- 急ぎではない相談の時間帯を決める
相談の方法をあらかじめ決めておけば、本人は困ったときにどう動けばよいかを判断しやすくなります。
周囲にとっても対応方法が明確になるため、行き違いの防止につながります。
目に見える行動だけで判断せず、その場面の背景をたどる

現場では、指示とは異なる方法で作業する、途中で手が止まる、同じ質問を繰り返すといった場面で、対応に迷うことがあります。
こうした行動には、手順の多さ、次の作業の分かりにくさ、周囲への声のかけにくさ、音や人の出入りなど、さまざまな背景が考えられます。
目に見える行動だけで理由を判断せず、いつ、どのような状況で起きたのかを本人と一緒にたどることが大切です。
手順の多さが負担になっているなら工程を分け、次の作業が分かりにくいなら順番を一覧にします。
周囲へ声をかけにくい場合は、質問する相手やタイミングを決めるなど、背景に応じて対応を選びます。
本人だけに理由を求めず、業務内容、職場環境、指示の伝え方との組み合わせから考えることで、仕事を進めるために変えられる部分が具体的になります。
採用前に仕事内容と勤務条件を伝え、必要な配慮を話し合う

採用後の行き違いを減らすには、面接や採用準備の段階で、勤務条件だけでなく、実際の仕事内容や職場環境も具体的に伝えることが大切です。
話し合っておきたいのは、たとえば次のような点です。
- 勤務時間と休憩の取り方
- 担当業務の範囲
- 作業場所と周囲の環境
- 誰が指示を出すのか
- 困ったときに相談する相手
- 本人が必要としている配慮
面接で障がいの内容や苦手なことを詳しく聞き出すのではなく、実際の仕事や環境をもとに、本人が働き続けるために必要な条件と、企業が対応できる範囲を話し合います。
行き違いが生じたときに、現場と人事が対応できる体制をつくる

障がい者雇用では、本人に仕事内容や職場のルールを理解してもらうだけでなく、受け入れる側も準備しておく必要があります。
採用後には、仕事の進め方が分からない、指示が十分に伝わらないなど、事前には想定できなかった場面も生じます。その際に対応が滞らないよう、採用前から現場と人事の役割を決めておきます。
たとえば、次のような点を明確にしておきます。
- 誰が業務を教えるのか
- 誰が日々の相談を受けるのか
- 誰が指示の出し方をそろえるのか
- 働くうえで難しさが生じたとき、現場と人事がどのように対応するのか
役割が決まっていれば、本人は相談先を判断でき、現場の社員も自分で対応することと人事へ相談することを分けられます。
一方、相談や調整を一人に任せきりにすると、その担当者に負担が集中します。日常的な相談は現場、勤務条件や配慮の調整は人事など、役割と対応の順番をあらかじめ決めておくことが大切です。
本人に職場へ合わせてもらうことだけを考えるのではなく、受け入れる側にも相談や対応の仕組みを整えておくことが、安定した雇用につながります。
まとめ|本人と企業が対話を重ね、働き方を整えていく

採用前に、働き始めてから起こるすべての行き違いや負担を予測するのは難しいものです。大切なのは、何か起きたときに本人だけに理由を求めないことです。
業務内容、指示方法、勤務条件、職場環境のどこに負担が生じているのかを本人と話し合い、その時々に必要な対応を重ねていきます。
最初から完璧な受け入れ体制を目指すのではなく、本人と企業が対話しながら調整を続けることが、双方にとって無理のない雇用につながります。
受け入れの準備に迷う場合は、外部支援の活用も検討する
業務の組み立て方や受け入れ体制に迷う場合は、社内だけで抱え込まず、外部の支援を取り入れる方法もあります。
準備の段階から支援機関に相談すれば、必要な対応や受け入れまでの流れを一緒に組み立てられます。
社内の作業環境や専属の支援担当者をすぐに用意できない場合も、現場だけで判断を抱える必要はありません。
私たちきいちサービスでは、企業の障がい者雇用に必要な「採用・業務設計・就労環境・定着支援」をまとめてサポートしています。
企業が対象者を直接雇用しながら、きいちサービスの軽作業場を活用することも可能です。
障がい者雇用をご検討の企業関係者の方は、まずは一度お気軽にご相談ください。
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