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障がい者雇用制度の変遷と企業対応の要点

カテゴリー:障がい者雇用とは?

【更新日】2026.11.06

障がい者雇用制度の変遷と企業対応の要点

こんにちは。企業型障がい者就労支援サービスを事業としているきいちサービスです。

本記事では、障がい者雇用の変遷を振り返り、今後企業に求められる対応まで解説していきます。

障がい者雇用の制度は、なぜ段階的に変わってきたのか

障がい者雇用は、障害者雇用促進法に基づいて進められてきた制度です。

一定規模以上の企業には、法定雇用率以上の障がい者を雇用する義務があります。

ただし、制度の目的は「人数を満たすこと」だけではありません。

国は、障がい者の雇用機会を広げるために法定雇用率の引き上げや制度の見直しを続けてきました。

近年は、採用できた人数だけでなく、能力開発や職場への定着、個々の就労ニーズにどう対応するかも重視されています。

つまり、障がい者雇用制度は、雇用機会の拡大に加えて、働き方の多様化や雇用の質の向上も意識した制度へと変化している、ということです。

制度の全体像を先に押さえたい方は、障がい者雇用とは?企業に義務がある理由を解説もあわせてご覧ください。

法定雇用率はどう変わってきた?これまでの制度改正を振り返る

法定雇用率は、段階的に引き上げられてきました。

民間企業を対象に見ると、現在は2026年7月時点で2.7%が基準です。

改正の流れを時系列で見ると、制度がどの方向に進んでいるかが分かりやすくなります。

  • 2021年3月:法定雇用率が2.3%に引き上げ
  • 民間企業の法定雇用率が、従来の2.2%から2.3%へ引き上げられました。
  • 2024年4月:法定雇用率が2.5%に引き上げ
  • 対象となる事業主の範囲も、従業員43.5人以上から40人以上へ拡大しました。
  • 2026年7月:法定雇用率が2.7%に引き上げ
  • 現在の民間企業の法定雇用率です。対象となる事業主の範囲は、従業員37.5人以上となりました。

このように、法定雇用率は一度に大きく変わるのではなく、数年単位で見直されてきました。

そのため、以前は雇用義務の対象外だった企業でも、今は対象に入っている可能性があります。

最新の対象範囲や人数の考え方を整理したい場合は、障がい者雇用の対象企業とは?雇用義務の基準と従業員の数え方をご参考ください。

出典:厚生労働省「事業主の方へ」「令和4年障害者雇用促進法の改正等について」

制度改正の流れを見ると、企業に求められる対応は今後も少しずつ広がっていくと考えられます。

法定雇用率以外にも、企業が把握したい制度改正とは?

障がい者雇用を進める際は、法定雇用率の数字だけを追っていると見落としが出やすくなります。

実際には、除外率や算定方法の見直しも、自社の義務に関わる重要なポイントです。

除外率の引き下げで雇用義務への影響が生じる業種もある

除外率制度は、障がい者の就業が一般的に困難と認められる業種について、法定雇用率の適用に特例を設ける制度です。

2025年4月1日からは、除外率設定業種について原則として除外率が一律10ポイント引き下げられました。

該当する業種の企業は、改正前と同じ認識のままでは、必要人数の見込みを誤るおそれがあります。

自社にどの除外率が適用されるのか、そしてそれが雇用義務にどう影響するのかを、あらためて確認しておくことが大切です。

短時間勤務の障がい者を雇用率に算定する特例も設けられた

2024年4月からは、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の重度身体障がい者、重度知的障がい者、精神障がい者について、特例的に実雇用率へ算定する仕組みが導入されています。

この場合、対象者は1人につき0.5人として算定されます。

ただし、すべての短時間勤務者が対象になるわけではありません。

対象となる障がい種別や労働時間の条件があるため、制度の要件を確認したうえで判断する必要があります。

雇用率の計算や制度の目的を整理したい方は、【2024最新】障がい者雇用の法定雇用率とは?目的と計算方法を解説も合わせて確認すると理解しやすいかと思います。

法定雇用率の数字だけでなく、除外率や雇用率の算定方法も、自社の義務を把握するうえで押さえたい制度変更です。

制度の変化を受けて、企業にはどのような対応が求められる?

制度改正を知るだけでは、実務は進みません。

採用担当者としては、自社で何を確認し、どこから手を付けるかを整理することが重要です。

ここでは、障がい者雇用を進める際に、まず確認しておきたい実務の流れを見ていきます。

1.自社の雇用義務と必要人数を把握する

最初に確認したいのは、常時雇用する労働者数です。

そのうえで、自社に適用される法定雇用率や除外率、算定ルールを確認します。

現在の実雇用率と法定雇用率を比べれば、どのくらい不足しているのか、あるいは満たしているのかが見えます。

ここを曖昧なまま進めると、採用計画や受け入れ準備の優先順位が決めにくくなります。

まずは「必要人数を把握する」ことが、制度対応の出発点です。

2.障がい者に任せる業務を具体化する

次に考えたいのが、社内でどの業務を任せるかです。

障がい者雇用では、業務内容が曖昧なままだと採用後のミスマッチにつながりやすくなります。

たとえば、袋詰め、部品の組み立て、パッケージ作業、検品など、工程が切り分けやすい仕事は検討しやすいでしょう。

ただし、業務は一律に決めるのではなく、本人の能力や特性、希望に応じて考える必要があります。

仕事の切り出し方に不安がある場合は、障がい者雇用で業務をどう切り出す?任せる仕事の選び方も参考にしてみてください。

「誰に、どの仕事を、どの手順で任せるのか」を具体化しておくと、現場への説明もしやすくなります。

3.採用後の支援体制まで考える

障がい者雇用は、採用できれば終わりではありません。

業務の指示や相談を誰が担当するか、事前に決めておく必要があります。

また、必要な配慮や職場でのコミュニケーション方法も、あらかじめ整理しておくと安心です。

採用人数の達成だけを目的にすると、定着が難しくなることがあります。

本人が継続して働ける環境づくりまで含めて考えることが、結果として企業側の負担を減らすことにもつながります。

定着面の考え方を知りたい方は、障害者雇用の定着率アップー企業が知っておくべきことと成功事例もご覧ください。

企業に求められるのは、法定雇用率を満たす人数の採用だけではありません。

  • 業務の選定
  • 受け入れ体制
  • 採用後の支援

これらを一体で考える必要があります。

障がい者雇用を進める際、企業が直面しやすい課題とは?

制度上の考え方が分かっても、実際の現場では別の悩みが出てきます。

特に中小企業では、採用担当者だけでなく現場も含めて、どこまで対応できるかが大きな論点になります。

よくある悩みは、次のようなものです。

  • 障がい者に任せられる仕事を社内で見つけられない。
  • 採用活動や面接の進め方が分からない。
  • 現場社員への説明や業務指示を担当する人員を確保できない。
  • 社内設備や作業環境の整備に、どの程度の費用がかかるか分からない。
  • 採用後の業務や支援体制を維持できるか不安がある。

これらは、制度への理解不足というより、実務の設計に関する悩みです。

つまり、障がい者雇用を進めるには、採用方法だけでなく、業務の確保や社内の支援体制も含めて、自社で実行できる方法を検討する必要があります。

私たちは、こうした悩みに対し、軽作業(内職)を活用した障がい者雇用の支援をご紹介しています。

軽作業の切り出しや受け入れ方法を具体的に知りたい場合は、当社の考え方をまとめた障がい者雇用を推進!きいちサービスが本格的にスタート!もご確認ください。

今後の障がい者雇用に向けて、企業が今から進めたいこと

今後の対応で大切なのは、改正を待ってから動くのではなく、先に準備を進めておくことです。

制度変更は段階的に進みますが、採用や受け入れ体制の整備には時間がかかります。

そのため、次のような点を早めに確認しておくと、社内説明もしやすくなります。

  • 法定雇用率や対象事業主の範囲など、最新の制度情報を把握する。
  • 現在の雇用状況と必要人数を把握する。
  • 自社の業務内容や職場環境を踏まえて、雇用の進め方を検討する。
  • 社内だけで対応する場合と、外部の支援を活用する場合の役割や費用を比較する。
  • 採用後も業務内容や支援体制を定期的に振り返る。

ここで意識したいのは、決定済みの改正と、検討中の内容を分けて見ることです。

未決定の変更を確定事項として扱ってしまうと、社内の判断を誤るおそれがあります。

制度と自社の現状を並べて確認しながら、採用・業務・支援体制を計画的に検討することが、現実的な進め方です。

制度改正に向けた初動の考え方を整理したい方は、障がい者雇用を成功させる!知っておきたい制度と活用法も役立ちます。

法改正への対応を直前になって始めるのではなく、制度と自社の現状を把握し、採用・業務・支援体制を計画的に検討することが大切です。

障がい者雇用の進め方に悩んだら、外部の支援も選択肢に

障がい者雇用の方法は、企業の規模や業務内容、社内の人員体制によって変わります。

自社だけで採用や業務設計、受け入れ体制の準備を進めることが難しい場合は、専門的な支援を活用する方法もあります。

私たちは、軽作業を活用した障がい者雇用の支援を行っています。

  • 「任せる仕事をどう作るか」
  • 「現場にどう受け入れてもらうか」

このような段階からご相談いただけます。

障がい者雇用を進めたいものの、任せる仕事や社内体制にお悩みではありませんか。

障がい者雇用をご検討の企業関係者の方は、まずは一度お気軽にご相談ください。
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